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ファースト・メーカーインタビュー&『マジシャン』ガチンコ実戦レポート
渦中のメーカーが今、全てを語る!
 2008年7月、ファーストから発表された新機種『マジシャン』が業界を騒然とさせ、物議を醸した。その理由は、外見が北電子の『アイムジャグラー』に似ていたからだ。その是非が論じられている最中、突然業界全体を震撼させる事件が同社を襲った。そう、ご存知の方も多いかもしれないが、7月末、突然ファーストの社長以下4人の社員が逮捕されるという事態が起こったのだ。容疑は「商標法違反」。詳細な内容は後ほどお伝えするが、要約すると「『ザ・ゴルフ-30』を裏モノにするためにICチップを偽造して搭載した」というものだ。TVカメラを引き連れての逮捕劇は、視聴者にファーストが起こした犯行と思わせるには十分で、事実、当ビスタ編集部さえも詳しい事情がわかるまではそう思い込むほどであった。しかし、その後事件は何も進展を見せなかった。いや、正確には、捜査が進んで真相が解明され始めてもファーストの関与を示す証拠が出てこなかったのだ。そして、9月。『ザ・ゴルフ-30』の販社関係者の数名が起訴される中、社長以下ファースト社員は全員が処分保留のまま釈放された。そう、事実上ファーストは「関与していない」ということが証明されたのだ。ただし、この件について、まだ警察から何の声明も発表されていない。果たして、「事件の真相は?」「『マジシャン』はどうなったのか?」…今回、ビスタ編集部はこのタブーとも言われる2つの事件に、メーカー突撃インタビューとガチンコ実戦で肉薄していく!
大手メーカーの背中を追いかけることはしない、それがファースト!
編集部(以下編):「初めまして。本日はよろしくお願い致します」

株式会社ファースト代表取締役・大島享氏(以下大):「こちらこそ、よろしくお願いします。可能な限りは何でもお答えるするつもりでいますので」

:「ではまず、社長のプロフィールということで、ファースト立ち上げまでの経緯を伺いたいのですが」

:「20数年前に某メーカー系の営業として勤務したのが業界に入ったきっかけになります。しばらくして地方の商社で新たに設立されるパチスロ部門の責任者として就職しました。独立後に中国・四国方面で販社としてファーストを設立し、10年近く活動した後、メーカーの代理店などを経て、平成15年末からメーカーとして活動していこうということになりました」

:「業界歴はすでに20年以上ですか。恐れいります。それだけ長い間、この業界に携わっていれば、酸いも甘いも知り尽くしている…といったところでしょうか。販社として会社を立ち上げた後にメーカーに転身したということですが、何かきっかけのようなことがあったのでしょうか?」

:「販売の際に『こんな台だったらいい』『こんな風に変えればもっといい台になるのにな』と強く思うことが多かったことに加え、予てより『物作りというものをやりたい』と思っていたことがきっかけです」
:「なるほど。ただ、物を作る上で一から全てを構築するとなると、一筋縄ではいかないことも多いですよね。いざメーカーを立ち上げ、最初にパチスロを作ろうと思った際に誰かからアドバイスや支援を受けたりはしなかったのでしょうか? 例えば、実際に台を買ってくれるホールさんの意見を参考になさったとか?」

:「もちろんホールさんからの意見や要望は貴重な参考材料として役立てていますよ。ただ、自分たちでいい出来だと言えないものをホールさんに持っていくということはできないので、やはり自分たちの意見を最重視しますね」

:「あくまでも自分たちが良いと考えるものを追求していくということですね。では、今後の新機種の開発については、どういった事業展開を考えていますか?」

:「まずコンセプトとして、大手メーカーの背中を追いかけるということはしないというのが第一にあって、その中で会社を継続させていくために、市場が望んでいるものを出していこうということで開発したのがこれ(『マジシャン』)と、その前後の作品です。それとは別に、来年の春先あたりに今までに無かった仕様のパチスロを投入していく予定ですので期待して下さい」

:「市場についての話が出ましたが、ユーザーの減少であったり、各地でホールの倒産が相次いだりと、現状はかなり厳しいものになっていますが、これについてはどうお考えですか?」

:「これはこの業界に携わっている方なら誰もが思っていることだと思うのですが、携帯電話を筆頭にレジャーの選択肢が多様化している。かといって全ての娯楽を楽しめるだけの金銭的余裕があるかというとそうではない。そんな中で、パチンコ・パチスロの魅力が他のコンテンツに負けてしまっているのが原因ではないでしょうか。これを打開するのは並大抵のことではないですが、業界が一丸となって、ユーザーに対してパチンコ・パチスロの楽しさをもっとアピールしていくことが必要だと考えています」

:「ユーザー離れの一因としてよく挙げられる、5号機のスペック的な問題というのはそれほど重大な原因ではないということですか?」

:「いや、スペック的な問題はかなり重要なウエイトを占めているのではないでしょうか。ユーザーに最も受けがいいのは出玉感のある機種というのは間違いないですが、それは5号機の規定とは相反するものですから、そのギャップを埋めるために我々メーカー側が出玉以外のプラスアルファを作る必要があると思います。また、ホール側も体制を整えた上で、きちんとした企業として経営というものを見直していかないといけないでしょう」

:「パチンコ・パチスロの楽しさ=出玉と考えているユーザーも多いですからね。如何にしてそれ以外の魅力を伝えていくかが業界全体の課題となりそうです。ところで、社長ご自身はプライベートでパチンコ・パチスロを打つことはありますか? ホールへ足を運ぶことによって初めて見えてくるものも少なからずあるかと思うのですが…」
:「パチスロ好きが高じて業界入りしたくらいですから、もちろん打ちますよ。0号機の時からパチスロにハマって、給料日に全部突っ込んでスッカラカンになったこともありました(笑)」

:「1日で給料がぶっ飛ぶほどのめり込むとは、これまたお盛んだったんですね(笑)。当然多くの機種を打ったと思いますが、当時を振り返ってみて思い出の機種とかありますか? また、今でも打つことはあるのでしょうか?」

:「好きだったのはマックス商事の『ニューヨーカー』(注1)や東京パブコの『バイキング』(注2)などですね。今ではごくたまに打つくらいです。視野を広げる意味でも、打たなくては駄目だと思っているのですが…」

:「0号機ですかぁ。打ったこともなければ見たこともありませんよ。もちろんビスタの機種情報でも扱ってないですし…時代を感じます。そういえば御社のリリース作品は現在のところ全てパチスロですが、今後のビジョンとして御社でパチンコを開発する予定があるのか教えて下さい」

:「将来的にということで考えてはいます。ですが、まずはパチスロでブランドを確立してからになるでしょう。パチンコの方が色々と予算も必要になりますしね」

:「これは楽しみなニュースですね。その時にはまた取材依頼をさせて頂くと言うことで」
▲パチンコ業界が置かれている厳しい現状を打開するためには、ユーザーに対してパチンコ・パチスロの楽しさをもっとアピールしていくことが必要だという

(注1)0号機時代末期に登場したマックス商事の箱型マシン。同社の0号機は4機種あるが、そのうちの3機種はアメリカの都市名で統一されている。
(注2)アークテクニコの前身である東京パブコの0号機で、マックス商事のマシンと同じ筐体が使われている。海賊をあしらったパネルが特徴的な1台。
強制捜査に衝撃の逮捕…ファースト・大島社長が胸中を激白!!
▲事件の流れは上図の通り。起訴処分となった2名の裁判が10月下旬から11月にかけて行なわれるようだ
:「では、いよいよ本題といいますか『ザ・ゴルフ-30』の問題についてお聞きします。事件の発端として7月29日に強制捜査があった訳ですが、なにか噂というか予兆のようなものはありましたか?」

:「全くありませんでした。朝出社したらテレビ局のクルーがいて『何かあったのかな』といった感じでしたね。ただ、今年の春に『ザ・ゴルフ-30』に問題があるという話になった時、警察・行政に対して、書類の提出など全面的に捜査に協力してきたにも拘らず、事情聴取なしでいきなり強制捜査という形になったことには驚きました」

:「いきなり強制捜査というのは予想外であったと。それにしても事情聴取なしでいきなり強制捜査とは警察もエグいですね。その後についてですが、報道によると大島社長が逃亡し、結局8月3日に任意出頭に応じたとのことですが、この間は何をされていたのですか?」

:「基本的に経営者として業務をこなしていました。役員、社員が逮捕され、私までいなくなってしまったら経営が立ち行かなくなってしまいますからね。その後、一通りの整理が付いてから出頭したという流れになります。私自身、逃げたつもりはありません。逃げるのであれば今でも姿を見せていないでしょうから」

:「逃亡しているとの情報も囁かれていましたが、そうではなかったんですね。確かに、ずっと逃げ切るつもりでいたなら任意出頭に応じるというのはおかしな話です。気になるのは任意出頭後の取調べ内容なんですが、どのようなものでしたか?」

:「まずメーカーとしての関与が疑われました。『工場内で偽装ICを取り付けて出荷しているだろう』と。それに対して私たちは、メーカーの関与は当然として、工場のスタッフが個人的に取り付けたということもあり得ないと一貫して主張してきました。その後販社、運送会社などに対しても取調べが行なわれ、関与の疑いがほぼ晴れたのが8月の下旬頃になります。当社とは直接契約形態の無い販社に嫌疑が向き始めたのと同時期ですね。この頃にはメーカーの関与の有無ではなく、『偽装ICの存在を知っていた』というような管理責任を問う取調べ内容になっていましたが、もちろんそれについてもしっかりと否定をし、最終的に9月8日に釈放されたという流れになります。」

:「一貫して否定した訳ですね。メーカーの関与を立証できないとみるや否や、責任管理についての取り調べですか…ここでの警察の対応もおかしいですよね。ちなみに、不正台が発見されたのはどの地域のホールだったのでしょうか?」
:「茨城・新潟・三重・愛知・沖縄の5県です。偽装ICがかなり広い範囲で発見されたことが、メーカー関与を疑われた一因となったのではないでしょうか」

:「だからといっていきなりメーカーに対して強制捜査というのは少々勇み足な気がしなくもないですが…。最終的に潔白が証明されようとしているとはいえ、御社が今回の騒動において被った被害は大きいのではないですか?」

:「ええ。金銭的な問題では『マジシャン』の販売に関するものですね。当初は初回ロットの1000台に加え、バックオーダーがかなりの数あったのですが、事件後にキャンセルが相次ぎました。風評の面で言えば、名前が売れたというメリットもあるかもしれませんが、デメリットのほうが大きかったと判断しています」

:「やはりかなりの影響があったということですね。続いて『マジシャン』の販売についてですが、現在ではどういう状況なのでしょうか? 設置の際にトラブルがあったという話もあるようですが…」

:「トラブルというか『マジシャン』設置店のいくつかに警察の立ち入り検査が行なわれました。それについては販売経路のチェック体制を強化し、今回の事件のようなことが絶対に起きないよう対応したため、仮に立ち入り検査があったとしても全く問題が無いということを販社・ホール関係者に伝えました。販売については8月17日の初期納入以降多くのホールさんから好評を頂き、順調に販売台数を伸ばしています」※問い合わせ・発注はコチラ

:「台の完成度だけでなく、事件後のフォローの上手さも好調の一因と言えそうですね。フォローといえば『マジシャン』に対する北電子からの商標権仮処分の申立に対する対応もかなり迅速でしたが、そちらについてはある程度予想していたのでしょうか?」

:「当初より弁護士など専門家をチームに加えていましたので、想定内といえば想定内ではあります。ただ正直、あれだけの大メーカーがうちのようなメーカーに対して申立をするとは思っていませんでした」
▲騒動の引き金となった『ザ・ゴルフ-30』。偽装ICが茨城・新潟・三重・愛知・沖縄の5県で発見されたらしい
▲『ザ・ゴルフ-30』問題も、『マジシャン』に対する商標権仮処分の申立もすでに解決に至っていると語る大島氏。さらなる飛躍に向けて動き出したファーストから目が離せない!
:「タイミングも悪かったのでしょうね。『マジシャン』の販売直前という、最悪の時期に事件が発生してしまいましたからね。ちなみに、北電子とはパネルを変更することを条件に和解したんですか?」

:「はい。現パネルについては北電子からは何のクレームもついていないので、何の問題もありません」

:「ここで『ザ・ゴルフ-30』の事件に話を戻しますが、9月10日の状況説明会以降に何か進展などがありましたか?」

:「起訴処分となった2名の裁判が10月下旬から11月にかけて行なわれるようですが、そこが1つの着地点になるのではないかと思っています」

:「事件からおよそ3ヶ月を経てようやく終わりが見えてきましたが、最後に、今回の事件を振り返って、何か一言頂けますでしょうか?」

:「はい。メーカーとして業界をお騒がせしたこと、ユーザーに業界全体に対する不信感や不安を抱かせてしまったことについては、先日の説明会でも申し上げた通り、申し訳ないと思っております。今後は販社の動向のチェックやセキュリティシステムの再構築など、再発防止のために様々な対応を行なってまいります。今回の件については、とにかく申し訳ないの一言です」

:「兎にも角にも『ザ・ゴルフ-30』問題は一応の解決を見せた。そして『マジシャン』導入における不安要素は一切ないということですね。本日はお忙しいところをありがとうございました」
『マジシャン』開発にまつわる数々の秘話が遂に明かされる!
:「本日はよろしくお願い致します。まず『マジシャン』の開発コンセプトについてお聞きしたいのですが、やはり『ジャグラー』のオマージュということになるのでしょうか?」

ファースト開発室・岡本年弘氏(以下岡):「いきなり直球ですね(笑)。実際のところ、『誰にでも打って頂ける』というのが第一のコンセプトです。また、告知機は『ジャグラー』しか選択肢がないという現状に対して、選択肢の1つとして『マジシャン』を提供できればという狙いもありました。ただ、開発コンセプトとして特に『ジャグラー』をオマージュしたということはありません」

:「確かに現在は告知機=『ジャグラー』と言っていいほどの状態ですからね。選択肢が増えるということはユーザーとしても嬉しいことです。相手が強力なだけに開発も大変だったと思いますが、苦労話や面白いエピソードなどはありますか?」

:「苦労した点というのはやはり告知方法ですかね。奇をてらったものも考えていたのですが、やはりホールでの実績というものを考慮し、最終的にはオーソドックスなものになりました。面白いエピソードとしては、BIG中のBGMについてですね。当初はマジックショーといえばこれといったイメージでBGMの作成を依頼したのですが、実際に完成したものはどこかで聞いたような、懐かしい気持ちになるような曲調のもので、イメージとは異なるものでした。ところがこの曲を実際に組み込んで試打してみたところ意外にマッチしており、結局このままで行こうということになりました。このBGMは知り合いからホール関係者の方まで、広く好評を頂いております」
▲変更前後のパネルデザインを並べた画像がこちら。上が変更前、下が変更後だ。変更自体は細かいものばかりだが、全体的な印象は大分異なる
:「告知機の要となる告知方法の決定については多くの議論が重ねられたという訳ですね。また、BIG中に流れるBGMも非常に気になります。時間に余裕があれば是非聞いてみたいところだったのですが…。他にも『マジシャン』のセールスポイントや、オススメの打ち方等がありましたら教えて頂けますか?」

:「セールスポイントは何と言っても告知音の『キュイン♪』ですね。現在ですと『ジャグラー』に外付けで追加されている機能ですが、開発当初はそんな機能はありませんでしたので、注目して欲しい箇所です。また、告知音がBIG確定というところもユーザーの方には喜んで頂けるのではないでしょうか。打ち方については、多様なリーチ目を搭載した機種という訳ではありませんので、ブン回しつつネジネジなどを楽しんで頂ければ、と思っています」

:「『キュイン♪』の搭載についてはかなり時代を先取りしていますよね。続いて筐体デザインについてお聞きしたいのですが、やはり最も気になるのは北電子からの商標権仮処分申立についてなのですが…」
▲こちらは告知ランプ周りの比較画像。右側が変更後のものだ。ギザギザがより細かくなっている他、シルクハットが新たに書き加えられていることにも注目だ
:「申立の内容は告知ランプとパネルのピエロ周りについて、デザインを変えて欲しいというものでした」

:「具体的には?」

:「まず告知ランプですが、文字が『CHANCE』から『MAGIC』になっています。ランプ周りのギザギザのデザインも変更されていますね。続いてパネルですが、まずピエロは帽子をシルクハットにし、髪型も変えました。そして片手には杖を持たせています。背景も帯が描かれていたものから大量のメダルになっています(写真を参照)」

:「かなりの箇所に変更を加えたということですね。デザイン関係では他にも伺いたいことがあるのですが、まずリプレイ絵柄が栗なのはどういった意味なのでしょうか?」
:「『くり返す』ということです。リールデザイン時には『モー1回』ということで牛を使用するという案もありましたが、リプレイは茶系の色にしたかったというのがあり、このデザインとなりました」

:「なるほど。『くり返す』ですか。それは思いつきませんでした。『サイ遊戯』同様、しっかり意味があったという訳ですね。すると『GUGUランプ』についてもエド・はるみをモチーフにしたというよりは、何か別の意味があるのでしょうか?」

:「リールを停止させる時の指の動きやGOODを意味する『GOO』など様々な意味を兼ね備えたものなので、特に誰かをイメージしたという訳ではないんです。ただ、『マジシャン』のキャラクターについては、モチーフは私ということになります」
:「えっ!? ちょっと興味深い話が出てきましたね。詳しくお聞きしてよろしいですか?」

:「確か忘年会か新年会だったと思うのですが、宴会の時にピエロに扮してマジックを披露したんですよ。その時の私がモデルですね。白塗りまでして、結構本格的でした(笑)」

:「『GUGUランプ』といい、キャラクターのポーズといい、開発時期がエド・はるみのブレイク前であることを考えると、こんなところでも時代を先取りしていますね。こうなると次機種と噂されている『Wキャッツ』にも何か時代を読むヒントが隠されていそうですが、現在の開発状況はどの程度進んでいるのでしょうか?」

:「検定申請が滞りなく終了しました。販売予定についてはいまだ未定です。『マジシャン』の動向次第といったところでしょうか」

:「『マジシャン』の販売は順調とのことでしたので、これは早期の登場に期待できそうですね。開発コンセプトは『マジシャン』同様、わかりやすい告知機ということになるのでしょうか? そして開発のスタートはいつ頃だったんですか?」

:「元々告知機シリーズとして『マジシャン』の後にもう1機種開発する予定でした。同様の路線で次機種を考えていたところ、名機として評判の高い『?????』の長所を吸収しつつ、オリジナル要素を加えてよりよいものを作ろうということになり、『Wキャッツ』の開発がスタートしました。時期的には『マジシャン』の開発終了直後になります」
▲『マジシャン』のキャラクターモチーフとなった株式会社ファースト開発室・岡本年弘氏のマジシャン姿。パネルと見比べると確かにそっくり! この変装が会社の運命を大きく変えた!?
:「『告知機シリーズ』というフレーズが出てきましたが、他に異なるシリーズとして開発中、あるいは開発予定の機種があるということですか? 例えば現在の主流となっているRT、ART搭載機シリーズといったような」

:「告知機シリーズ以外の流れとして、液晶非搭載の大量リーチ目タイプの機種の開発、また、液晶機やRT、ART機についても当然開発中のものもありますし、来年には今までにないビックリするようなものをお見せできるのではないかと思います。期待していてください」

:「様々なタイプの新機種を開発中ということですね。では最後になりますが『マジシャン』を打つユーザーに『特にここを見て欲しい』という点はありますか?」

:「やはり出玉の『波』の部分になりますね。出率もそうですが、波こそが最も大事だとこだわり、試行錯誤を繰り返しながら保通協の試験に何度も挑戦しました。その結果、この部分についてはかなりの自信があるものに仕上がっているので是非注目してもらいたいです。導入ホールでの実戦データでも結果として出ているところですからね」

:「『ファースト独自の乱数生成方法』に注目といったところでしょうか(笑)。本日はお忙しいところをどうもありがとうございました」
▲変身前の岡本氏。インタビュー当日はマジシャン姿を拝見できなかったのが悔やまれる
極秘内部数値から『マジシャン』のポテンシャルに迫る!!
 ここからは、噂の『マジシャン』の基本性能を解説していこう。ゲーム性は至ってシンプルで、ボーナスはBIGとREGの2種類のみ。RTなどは存在せず、純粋にボーナスだけでコインを獲得するタイプだ。ボーナスは単独成立がメインとなるが、チェリーとの同時当選もあるので、左リールにチェリーが停止した場合は、ボーナス確定となる単チェリーに期待しよう。演出面もシンプルで、液晶等は存在せず、告知ランプである「GUGUランプ」が点灯すればボーナス確定となる。告知発生のタイミングは4分の3が後告知となるので、チャンスと感じた場合は第3リール停止ボタンをグリグリとねじって離すなどして楽しむのもいいだろう。また、告知ランプ点灯時に衝撃の告知音「キュイン」音を伴った場合はBIG確定となるぞ。

 次に、『マジシャン』の内部確率に目を向けると…、驚愕の事実が発覚した。なんと、比べられることが多い『アイムジャグラー』とはあらゆる確率が異なるのだ(※当編集部もこの資料を手に入れるまでは、内部確率は『アイムジャグラー』と同じと思い込んでいました)。しかも、比較してみると全設定で機械割が甘く、ボーナス確率も軽い。つまり、同じ設定であれば『マジシャン』のほうが勝ちやすく、連チャンしやすいと言えるのだ。また、本機は設定推測の材料が多く、立ち回りのしやすい機種でもある。メイン小役であるブドウ確率は全設定で異なり、出現率やコイン持ちが参考になる。さらに、チェリーの出現率やボーナスの同時当選率、BIGとREGの出現比率にも設定差があるので、それらも合わせてカウントすればより正確に設定を見抜くことができるだろう。
攻略誌が決して書かない掟破りの実戦レポート!  『マジシャン』VS.『アイムジャグラーEX』
 さて、ここからはいよいよ『マジシャン』のポテンシャルにホール実戦という形で迫っていこう。しかし、ただ「ホールで『マジシャン』を打ってきました」では芸がないというもの。実戦はやはり対決要素があってこそ成り立つと考えられる。そして、『マジシャン』の対決相手と言えば…相応しい機種は1つしかあり得ないと言って良い。そんな訳で、今回は『マジシャン』と『アイムジャグラーEX』がガチンコ対決! 攻略誌が決して書かない掟破りの実戦記を御覧あれ。

 「初の字さぁ、最近ゆっくりパチスロ打ってる?」

 編集長が自分のデスク横でそんな問いを立ててきたのは先週末、つまり10月10日の定時頃。自分は何も考えず、「いやぁ、ゆっくりは打ってないですねぇ」と答えた。事実、自分はゆっくりパチスロを打っていない。平日の昼間に展示会で強制基板の機械を…とか、会社が終わって22時頃から『アイジャグ』を3000円だけ…とか、編集者として最低限レベルにはパチスロと触れ合っているのだが、個人的事情のため最近は土日が忙しく、「ゆっくり」と呼べるほどゆっくりパチスロを打つ時間がないのだ。

 「じゃあさ、連休明けの火曜は会社に来ないで一日ゆっくり打っていいよ。9時に東神奈川の改札な。んじゃ、お疲れ」
 そう言って編集長は帰っていった。何のことだかよくわからない話である。これはもしかしたらアレか? 編集部の金で飽きるまで遊んでこいということでいいのか? 日頃頑張っている自分への御褒美ということか? 冬のボーナスにしては早すぎる話だが、ここは乗っておくのが正解だろう。なんか美味しそうな話だし。

 …という訳で2008年10月14日午前9時。自分はJR東神奈川駅で編集長と待ち合わせ、駅前店「日活球殿」に入店した。ここはバラエティコーナーが結構充実しているホール。『只野仁』やら『セブンボンバー』やらといった、希少台マニア泣かせで香ばしげな台が残っているのだが、そんな中でも特に異彩を放っているのが遊人の『グレートエンペラー』だ。何しろ設置店舗数は全国で16(P-WORLD調べ)。そのうちの1つに来ているのだから、打たない手はあるまい。あ、でも新台の『アカギ』も気になったりして…いやいや、一日ゆっくり打つなら『バイオ』や『肉』の高設定狙いも…などと考えながらホールをウロついていると、編集長に後ろから襟を掴まれた。

<<取材協力店舗>>

日活球殿


・JR東神奈川駅前 徒歩1分
・パチンコ217台/33.4玉交換
・パチスロ154台/等価交換
・ホームページはコチラ
 「お前が打つ台はこっちにあるから」

 いや、意味がわからないから。何で編集長に打つ台を指定されにゃならんのさ。自分が打つ台くらい自分で決めさせろよ…と思いつつも口にできないまま歩を進めると、その先にあったのは…『アイジャグ』。…って、これいつも打ってる台じゃん!

 「今日の企画は『マジシャン』VS『アイジャグ』だから。両方の機械を6時間ずつお前が打って、どっちの方が出るか。台は空いてる中から適当に選んでね。はいスタート」
 スタートって…え? 何? つまり今日は一日完全告知機しか打てないの? 完全告知機っていうかピエロと…ピエロみたいなのしか打てないの? ていうか自腹? VSとか言ってるなら半分は編集長が打てば良くね? あとこの企画の話ってファーストのO本さんとかキタックのK崎さんとかに通してる? 通してないよね? 怒られるの誰? 自分? 全てにおいて意味わかんねーよ! …と思いつつも、長の命令ならやむなし。これも編集人たるものの宿命だ。そんな訳でまずは『アイジャグ』から実戦開始である。

 本日1回目のボーナスを引いたのは実戦開始から15分。音なし後ペカでBIG、という非常に無難で記事にしづらい形となったが、まぁ『アイジャグ』なのでそんなモンである。ていうか『アイジャグ』マニアな人たちはこの台をどう打ってるんだろう。爺さん婆さんは完全オヤジ打ちが主流だろうけど、まぁ目押しができる人は普通、チェリーこぼさないようにするよね。んで、チェリーは左リールに2つ。BARの上と下ね。で、自分の場合はと言うと、BARの上にあるチェリーを枠内アバウト狙いがセオリー。この打ち方だと上段ピエロまでスベって第2停止でブドウ&リプを否定した瞬間に脳内で変な汁が出る訳ですわ。ベルorピエロの取りこぼしかボーナスだからね。
 …なんてことを考えながら打つこと49分。ボーナスは351ゲームでBIG、283ゲームでBIGと続き…ってコレはアレじゃね? イケてるとは言い難くね? むしろハッキリ言うとイケてなくね?

 そんな訳で260枚のコインを流し、別の台へ移動。今回は完全自腹のホール実戦なので本気モードで立ち回らないとちょっとアレなことになってしまう。気を引き締めて、かつ手を休めず打たねばならない…と思ったら台移動後わずか22ゲームでREG。さらに25ゲームでBIGと続く。さっきの台よりは良さげな感じだ。
 それにしても『アイジャグ』は何がいいってあの音がいいよね。後告知時のあの…って文字で表現しにくいけど…強いて言うなら「ゴフッ」? あ、今「アイジャグ ゴフッ」でググったら33件だって。少ないなぁ。「アイジャグ ガッ」は…97件。「アイジャグ ガスッ」だと…7件! どれもこれも少ねぇ。みんな何て表現してるんだろう。…などと、どうでもいいことに思いを馳せつつ打つこと6時間。移動してからの総ゲーム数は2970ゲームでボーナスはBIGが11回のREGが13回。まぁ設定5以上はあるとみていいでしょ、これ。…と思ってたら編集長が戻ってきた。何?

 「あれだな、ジェロニモは使えない子だな」

 って、うるせえよバカ。つーか人が頑張って『アイジャグ』と向き合ってるのに『肉』とか楽しんでんじゃねーよこの野郎。え? 何? 時間? あぁそうっすよね、6時間って言ってましたもんね。ていうかこの台、高設定っぽいんですが捨てなきゃダメですか? ダメですか、そうですか。

 てな感じで『アイジャグ』は2台を打って合計3839ゲーム、BIG14回、REG13回、差枚数+789枚でフィニッシュ。まぁ前半戦としてはそこそこの好ゲームを繰り広げたと言って良いでしょう。
▲2台目は最高設定を思わせる安定感のある展開だった。それだけに1台目に費やした時間が惜しい…。



 そんなこんなで昼食休憩を挟んで向かった後半戦の舞台は、東横線元住吉駅から徒歩1分のところにあるスロ専「F1」。ここも『ヒミコスタイル』を置いていたり『インディ・ジョーンズ』が5台もあったりと香ばしげなチョイスをしているホールだが、これから打つのは『マジシャン』である。実は自分、恥ずかしながら…というか恥じる必要があるのか否かはともかくとして『マジシャン』を打つのは今日が初めてだったりする。しかも、予備知識らしい予備知識もないまま打ちに来てしまった。

 「大丈夫、『アイジャグ』とそんなに変わらないハズだから」

<<取材協力店舗>>

F1


・東横線元住吉駅前 徒歩1分
・パチスロ166台/等価交換
・ホームページはコチラ
 そう編集長は言うが、自分は『マジシャン』と『アイジャグ』は大きく違うものと実戦前から確信していた。何しろ、『マジシャン』は「ゴフッ」とか「ガッ」とか「ガスッ」という音が鳴らない。そして、その代わりにあの至福の音「キュイン♪」が用意されているのだ。4号機時代に『島唄』シリーズや『南国育ち』を愛した自分にとって、「キュイン♪」はまさに歓喜の調べ。脳汁直結サウンドなのである。しかも、『マジシャン』の場合はペカり時に「キュイン♪」を伴った場合、BIG確定。これはハッキリ言ってかなりの違いである。

 ということで時間は16時。いよいよ後半戦がスタートした。千円札をサンドに投入し、レバーON。そしてペチペチとリールを止めていくのだが…なんだろう、妙な違和感がある。ボタンやリール窓の大きさが違うから? いやいや、もっとパチスロ機としてのゲーム性に関連する大きな違いが…と思って出目を見つめているうちに自分はようやく真相に気づいた。…制御が違う。『アイジャグ』の時と同じように、BARの上にあるチェリーを枠内アバウト狙いで消化しつづけても、なかなかピエロ…じゃなくてマジシャン絵柄までスベってこないのである。ブドウ&リプは殆ど左ブ・リ・ブから入賞している形だ。つまり、『マジシャン』は配列こそ『アイジャグ』と一緒でバッタモンのような扱いを受けているが、パチスロとしての制御が異なる以上、ゲーム性は全くの別モノと言っていい。

 こうなってくると俄然面白くなるというもの。とりあえず自分は数回のREGを挟みつつ、目押しポイントを探る楽しみに没頭した。んで、最終的に辿り着いたのは…マジシャン絵柄の付いた7を枠下にビタ押し、というややマニアックな打ち方。ビタ止まりでブドウorリプorボーナス、4コマスベリでハズレを含む全小役orボーナス、もしくは1コマor3コマスベリでチェリー、というのが基本的な停止パターンなのだが、4コマスベリでペカるだけでなく、稀にビタ止まりでブドウ&リプを否定したりする。この場合はベルorピエロの取りこぼしかボーナス、つまり、『アイジャグ』の場合はスベリ+小役否定が脳汁ポイントだったが、『マジシャン』の場合はビタ止まり+小役否定がそれに相当する。全くの逆という訳だ。
 で、肝心の出玉状況はというと…2時間を過ぎた時点でBIGが5回のREGが5回。これって設定いくつよ? 7ぐらい? 8とか? とりあえず後半戦はこの台でツッパる方向でいいのかな? …とか言ってるうちに本日初の「キュイン♪」が発生! これだよこれ! これを待ってたんだよ〜。てか、「キュイン♪」ていうよりは「キュイキュイン♪」なんだね。最近はスロに限らず一発告知音を搭載した機種が増えててインパクト何ちゃらとかそれらしい名前が付いていたりもするけど、やっぱり告知音の王道は「キュイン♪」で間違いないでしょう。レバーON時じゃなくて第3停止時というのも新鮮でいい。

 ところで、ペカり時に「キュイン♪」と鳴る『アイジャグ』が一部のホールで流行ってるって噂をよく聞くけども…あれって合法なんスかね? ボーナスの入賞じゃなくてボーナスフラグそのものに反応してる訳だから、外部集中端子板から情報を拾ってるとは思えないんですが…まぁ全国にいっぱい設置があるみたいだから公安委員会的にNGって訳ではないんでしょうね。ていうか、後告知で「キュイン♪」を体験したい人は、素直に『マジシャン』の設置店を探しましょう。『キュインジャグラー』はペカるたびに「キュイン♪」、『マジシャン』は「キュイン♪」ならBIG。どっちが価値ある「キュイン♪」かは明白なハズです。
 さて閑話休題。時計に目をやると後半のスタートから4時間が経過しており、ボーナスはBIGが10回のREGが8回。数字をそのまま受け取るなら、これは高設定のBIGヒキ強とみるのが無難でしょう。という訳でブン回しスパートモードに突入し、終盤には11ゲームでREG、87ゲームでBIG、24ゲームでREG、85GでREG、さらに駄目押し7ゲームでBIGと「ジャグ連」ならぬ「マジ連」を経験。終了時間である22時まであと2分という所でREGを引き当て、見事0ゲームヤメとなりました。
 そんな訳で『マジシャン』は1台勝負で3919ゲーム、BIG15回、REG14回、差枚数+1027枚。…つまりこの勝負、僅差ながら『マジシャン』の勝利という結論に…あれ、編集長は?

 「いや、ほんと使えないわ、ジェロニモ」

 って、アンタまた『肉』打ってたのかよ…

 「お前が+36000円で俺が−32000円だから…合わせて+4000円か。まぁこんなモンだな」

 え? 何? 意味が全く分からないんですが。ノリ打ちってこと? そんなこと一回も聞いてなくね? ちょっと編集長、目がマジなんですが、編集長? 編集長〜!?
▲こちらも最高ハマリ371という高設定らしい展開。投資が5000円で済んだ点が勝因ですな。
編集後記
 以上で今回の『マジシャン』特集は終了となる。最後まで御覧頂いた読者の皆さんにはこの場を借りて感謝の意を表したい。10月16日現在、『マジシャン』の設置店舗数は108。『アイムジャグラーEX』のそれと比べて天地の差があるのは事実である。だが、『マジシャン』が今も着実にその設置数を伸ばし続けているのもまた事実だ。本記事を読んだ皆さんの目に『マジシャン』はどう映っただろうか。世間で言われる「アイジャグもどき」に見えただろうか。少なくとも、我々パチンコビスタ編集部は今回の取材を通し、『マジシャン』を『アイムジャグラーEX』とは異なる機種として認識するに至った。それが本当かどうかは…皆さんの行きつけホールで『マジシャン』を見かけた日に確認して欲しい。
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