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パチンコAWARD2012 MIP受賞記念インタビュー アムテックス『CRAトキオデラックス』
『CRAトキオデラックス』の生みの親に直撃インタビュー!
 4メディア合同で開催されたパチンコ・パチスロAWARD2012では、年度代表機種とも言えるMVP機種に加え各メディアが強く推薦するMIP機種も同時に選定され、当パチンコビスタ編集部はパチンコ部門のMIPとしてアムテックス『CRAトキオデラックス』を推薦した。そして2013年2月某日、その栄誉を称えるべく記念トロフィーの贈呈を行い、同時に開発者への独占インタビューにも成功! 他では決して聞くことのできない、秘話の数々が語られた必見のインタビューをとくとご覧下さい。(パチスロ版はこちら
こだわったのは、羽根モノならではの「玉の動き」
インタビュー前には編集部DNより、株式会社アムテックス開発グループ・門永清氏にパチンコAWARD2012 MIP記念トロフィーが手渡された。門永氏はプロジェクトリーダーとして企画や役モノ設計など、『CRAトキオデラックス』の多くの面に深く関わっている。


パチンコビスタ編集部(以下:ビスタ):トロフィーの贈呈も済んだところで、早速インタビューを始めたいと思います。まず、増台も決まり大ヒットとなった『CRAトキオデラックス』(以下「トキオ」)ですが、どの部分がプレイヤーに支持されたとお考えでしょうか?

アムテックス門永氏(以下:アムテックス):「玉の動き」にこだわりを持って、そこが最大の見せ場になるように開発しました。一番大切なVに入るか入らないかというところもそうですし、「トキオ」の大きな特徴であるアナログ的なラウンド振り分けなどですね。そういったところが受けているのではないかと思います。また、通常パチンコ玉は上から下へ流れるというのが基本ですが、モチーフがタワーなので上っていった方が気持ちいいというか優越感に浸れるのではないかと考え「持ち上げる」という点にもこだわりました。

ビスタ:なるほど。玉の動き、特に持ち上げるという点については他の機種では味わえない魅力ですからね。今のお話でタワーをモチーフにしているとの言葉が出ましたが、「トキオ」と言えば盤面中央の巨大タワー、そしてV入賞期待度を大きく左右するミニタワーという2つのギミックが象徴的です。これらのダブルタワーについては、設置することが早い段階で決まっていたのでしょうか?
アムテックス:まず「真ん中に大きいタワーを設置する」というのが頭の中にありました。実は最初は玉を運ぶリフトをタワーの中に貫通するような形で設置したかったのですが、それだとタワーがものすごく太くなってしまい、展望台部分で玉を回して抽選することができない。タワーの後ろを通すという案もありましたが、そうすると視認性の問題で非適合の恐れが出てきてしまう。結局タワーかリフトの位置をずらさないといけなくなったのですが、「タワーはど真ん中に置きたい!」と。位置がズレてたりすると気持ち悪いですから(笑)。

ビスタ:その気持ちはとてもよく分かります(笑)。何となく落ち着かないというか。

アムテックス:そういう理由でリフトを右側に設置したのですが、今度は役モノ構成が左右対称になっていないのでどうもバランスの悪さを感じてしまう。ここで昔の「トキオ」にあったミニタワーを第一の関門として左側に設置することで、アツくなれるポイントが増えるし、役モノ構成もキッチリ左右対称になったので現在の構造で落ち着きました。
門永氏はところどころで身を乗り出し、役モノの仕組みなどについて熱弁。並々ならぬこだわりを感じさせる。
ビスタ:と言うことは、予定通りに巨大タワー周りのギミックが実現していればミニタワーナシの盤面になっていた可能性もあったということですか?

アムテックス:はい、その可能性もありましたね。

ビスタ:「トキオ」=ミニタワーの印象が強かったので、そちらをメインに構成されたものとばかり思っていましたが…。続いていよいよV入賞絡みのお話を伺っていこうと思います。まずルートごとの入賞比率はおよそどの程度なのでしょうか? また、V入賞についてはかなり多彩というかイレギュラーパターンが多い印象を受けるのですが、どういったものを王道の入賞パターンとして想定されているのでしょうか?

アムテックス:あくまでも実射での結果ですが、割合についてはおよそスペシャル:ノーマルが5:2〜6:2くらいになりました。ノーマルルートから多い入賞パターンでは、まず回転体のY字溝に入らなくても玉に勢いがあれば丘を登って入賞するというものがあります。これはそういった動きを予想し、回転体を丘状にしました。それから左斜め後ろから排出された玉が真ん中を通り、そのままストレートにタイミングよく入賞というパターン。一番面白いと思うのはゆっくりとした玉が落ちかけたのが、クルっと回って反対の溝から来るような逆転パターン的な入賞でしょうか。ノーマルルートについては巨大タワーの内側に入らなかった玉がほぼハズれてしまうため絶望感があるという意見もありますが、だからこそ入賞した時の喜びや印象が強くなると考えています。
盤面下部には「Dotsuicha Dameyooo!(ドツいちゃダメよー!)」の文字が描かれている。何とも微笑ましいメッセージだが、これも立派なゴト対策?
ビスタ:デジパチでもそうですが、大して期待していなかった場面からの大当たりというのは嬉しいものですからね。ところで、羽根モノというとゴトや攻略への対策が避けられない問題だと思うのですが、やはり苦労されましたか?

アムテックス:振動に対してはかなり敏感に反応するよう設計してありますが、出玉に関係ない場面では感知しないなどの工夫もしてあります。こういったセキュリティ面でもホールさんには高評価を頂いていますね。また、狙い打ち対策としては、一般的な対策ですが羽根が開放するまでの時間に幅を設けています。そして、よく「リフトの動きでラウンドを制御している」ということを言われてしまうのですが、複雑に動かしているのはラウンド狙い撃ちを防止するためもありますが、ずっと一定のタイミングで動いていると例えば「この溝から玉が出てくると何ラウンド」というようにラウンド数が固定されてしまうことがあるのでそれを防止するためなんです。要するにラウンド均等化のために必要な動きなんだというのを是非伝えて頂きたいですね。
ビスタ:わかりました。それでは改めて声を大にして言わせて頂きましょう。

    「リフトによるラウンド振り分けの制御はありえない!」
ビスタ:と、宣言したところで次の話題にいきましょう。16ラウンド大当たり中のBGMについてなのですが、「いいな〜♪いいな〜♪」と聞こえる部分があるのですが、実際にはどんな歌詞が流れているのでしょう?

アムテックス:実はインタビュー前にそのBGMをあらかじめ聞いておいたんですが、どこがその部分なのか全然分からなかったんですよ(笑)。ちょっと今聞いてみましょうか。
直に聞いてもらうのが手っ取り早いということで、大当たりをスタートさせてもらいBGMを視聴。門永氏の反応は…?
アムテックス:うーん…(笑)。言われてみればエコーの部分が「いいなー♪」と聞こえますね。ちなみに実際にはずっと「トーキーオー♪」を繰り返しています。

ビスタ:完全に空耳でしたね(笑)。大当たり時のBGMと言えば1G連時のプレミアムとして「キュイン♪」や『CRAビッグシューターV』の楽曲なども搭載されていますよね? 楽曲についてのこだわりなどがあればお聞かせ下さい。

アムテックス:音楽については私は作成できませんので、サウンド担当の者に任せました。プロジェクトチーム内で視聴するなど試行錯誤しましたが、担当者が非常に優秀だったのでよかったです。

ビスタ:さて、「トキオ」については一通り伺いましたので、そろそろインタビューを締めさせて頂きたいと思います。最後に「トキオ」ファンに対するメッセージと、「ここを楽しんで欲しい」というアピールを一言頂けますでしょうか。

アムテックス:ファンの方に打ってもらわないことには羽根モノのシェアは伸びていかないので、「トキオ」に限らず羽根モノを打って頂きたいですね。私はパチンコ本来の魅力は玉の動きだと思っていますので、そこを古くからのプレイヤーには懐かしんでもらい、羽根モノを打ったことがない新しいプレイヤーには「玉がどっちに行くか?」といったデジパチとは違うドキドキ感を味わって頂きたい。「トキオ」のアピールポイントについてもこの台は玉の動きしかないので、そこを徹底的に楽しんで下さい。今後「トキオ」の続編も出てくるとは思いますが、まだ個人的には改良点が残っており、そこを改善したものを出したいと思うので、それまで末永く「トキオ」をお楽しみ下さい。

ビスタ:おっと、最後に羽根モノファンにはこれ以上ないくらい嬉しいメッセージを頂きましたね。我々も今後羽根モノというジャンルがさらに活性化し、多くの機種が登場することを期待したいと思います。それでは本日はお忙しい中大変ありがとうございました。
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