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タイアップストーリー 第5回「機動警察パトレイバー」
概要
 「機動警察パトレイバー」はゆうきまさみ、出渕裕、伊藤和典、高田明美、押井守により編成されたグループ「ヘッドギア」が企画・原作を手がけ、メディアミックスアニメの先駆けとなった作品である。
 
 アニメ化を前提に企画がはじまり、OVAの発売と前後してコミック版をスタート。その反響を受けて、最初の劇場版が制作された。本来、制作の順番はTV→映画→ビデオという流れが基本であるのに対し、これを逆に進めてTVアニメ化が最後となった。どの作品もキャラクターや登場マシンの基本設定は同じだが、画風やディテールなどはそれぞれ異質な仕上がりとなっている。さらには、キャラクターを掘り下げる形で小説化や新OVA化され発展してゆく。こうしたメディアを横断した作品展開は、当時のアニメ界では極めて異例で、「機動警察パトレイバー」はその代表的な成功例となった。
ストーリー
 舞台は1988年から約10年後の東京。ハイテク技術を駆使して開発された多足歩行型ロボット「レイバー」が一般化し、作業用機械としてあちこちで使用されていた。しかし、その結果レイバーによる事故はもちろん、レイバーを使用した犯罪行為が多発し社会問題となっていくのである。

 このレイバーによる犯罪に対処するため、警視庁は警備部内に専門部署として「特殊車両二課中隊(通称:特車二課)」を設置。この特車二課パトロールレイバー中隊(パトレイバー)は、主人公である泉野明を始めとする主要キャラクターが所属し、物語の中核となる組織になっていくのだった。

 物語は若いパトレイバーの隊員たちが困難を乗り越えながら成長する青春ドラマであり、産業や陰謀などのドラマでもある。これらを並行して展開することにより、密度の高いストーリーとなっている。

 劇場版第2作からは若干状況が異なり、ファンの間で人気の根強い特車二課第2小隊隊長・後藤喜一を主人公に設定。続く第3作「WX3機動警察パトレイバー」においても外伝的エピソードとして特車二課ではなく、捜査課所属の2人の刑事を主人公にしたりと、従来の登場人物は脇へ追いやられている。
キャラ・レイバー紹介
泉野明

特車二課第2小隊巡査でイングラム1号機のフォワード(操縦担当)。1978年12月17日生まれで、身長は155cm、血液型はA型、北海道苫小牧市出身である。レイバー好きが高じて、警視庁に入り、特車二課へ配属された。自分のペットには代々「アルフォンス」と名付けていて、操縦するイングラム1号機にもその名を付けて可愛がっている。気になるスリーサイズはB79W58H82とスレンダー。ちなみに「いずみの あきら」ではなく、「いずみ のあ」と読む。

 
篠原遊馬

特車二課第2小隊巡査でイングラム1号機のバックス(指揮担当)。群馬県前橋市出身で、野明の公私にわたるパートナーである。レイバー産業の最大手メーカーである篠原重工の御曹司で、そのためかレイバーに関する知識は群を抜いている。冷めた性格、ひねくれ者で口が悪いが、野明に対しては細やかな心遣いとやさしさを見せるツンデレ的要素を持つ。また、物語のナレーションをという副業を器用にこなしている。

 
AV-98 イングラム1号機
愛称「アルフォンス」

レイバー産業の中核、篠原重工により開発された特車二課専用のレイバー。抜群の運動性能に加え、37mmリボルバーカノン、90mmライアットガン、電磁警棒などを装備し、自在に扱える器用さを持っている。極めて人間に近いフォルムをしているのも特徴で、見る者に対して心理的影響も考えて設計されている。ちなみに、約57億円という価格で納品されている(廉価らしいが、国家予算が心配である)。

 
TYPE-J9 グリフォン

世界で暗躍する企業シャフト・エンタープライズ・ジャパン企画7課が開発した戦闘用レイバー。通称「黒いレイバー」と呼ばれるこのマシンは、採算度外視でただひたすらに高性能だけを追求して作られたため、イングラムを上回るほどケタ違いの運動性能を誇る。劇中でも特車二課とは度々対峙し、しばしば窮地に追いやった。グリフォンの製作費用は戦闘機10機分とも言われている。

コラム
 作品が発表された「80年代後半に予想されていた10年後の世界」を舞台にしている訳だが、現実と大幅に食い違った部分が少ないのは驚き。地球温暖化はともかく、登場するレイバー、つまりはロボットに関しても、手や指の動作を真似る装置類「モーショントレーサー」により実用化の域に達している。ヘッドギアの面々にはこれから先の10年後の世界を描いて欲しい気もする。

 私が初めて本作品の単行本を見たのは小学生だった。同級生が読んでいて、チラっと見て感じた第一印象はセリフの多さ。これほどブラウン管を通した方が分かりやすいと思ったマンガも数少ない。最近のマンガでいうと「デス・ノート」あたりもこの類だろうか。逆に言えば、それほどこの「機動警察パトレイバー」には色々な描写が盛り込まれているわけで、大人になった今、読み返してみるとやはり面白いと思ってしまうのである。

(C)HEADGEAR/BANDAI VISUAL/TFC (C)ABILIT

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     機動警察パトレイバー