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もえぱち 第7回 「それなんてエロゲ?」
人生だったり神話だったり八百屋だったり
 タイアップ機全盛期の様相を呈してきた5号機市場。どんな事情があるのかは知りませんが、ちょいとマニアックなあの漫画・アニメがいつの間にやらパチンコ&パチスロ化! なんてことも珍しくなくなりました。もはや元ネタとなるコンテンツも出尽くした感がありますが、ところがどっこい。ここ数年「あるジャンル」とのタイアップ機が増えつつあります。ここではそんな、共通点を持った原作とのタイアップ機と、それに対する個人的な感想をまとめてみました。
全てはここから始まった
『夜勤病棟』(イレブン)

 記念すべき5号機初のエロゲタイアップマシン。原作である同名ゲームは各ヒロインの弱みを握り、脅迫し、陥れるという超ストロングスタイルのエロゲ。特筆すべきはそのプレイ内容のマニアックさで、各ヒロインの弱点属性はどいつもこいつもアブノーマル揃い。プレイすれば「この病院にまともな奴はおらんのか」と思わずツッコミたくなること請け合い。変態を自認する紳士はぜひ挑戦してみよう!

 スペックは高ベース&低確率のボーナスやボーナス後に突入するRTなど、5号機初期のスタンダードとも言える仕様。だが1ラインの採用など、実はかなり意欲的な面も持つ。最もボーナスメインのノーマルタイプであえて1ラインにした理由はよくわからないのだが。

 残念ながらイレブンはその姿を消しましたが、業界において初めてエロゲとのタイアップに踏み切ったチャレンジングスピリットと、今になってその狙いの正しさが証明されつつある慧眼っぷりは、パチスロの歴史に名を刻まれてしかるべきではないかと。感想を語れるほど打ち込めなかったので、ここではその異形…もとい偉業を称えたいと思います。
演出映像は新規に描き下ろされたものが使用されているものの、やはり原作とは程遠い雰囲気に。振り返ると発売前の演出予想やプレス発表会の模様の方が話題を集めていた気も。
(C)MINK
光を継ぐもの
『夜勤病棟 壱』(JIN)

 5年の時を経て、異なるメーカーから登場した同一タイアップマシン。機種名は弐・参とシリーズを重ねていった原作シリーズへのリスペクトか(初代とのタイアップなので「壱」)。ちなみに原作のメディアミックスはOVA化や誰得の実写映像化にまで至る。

 RT「夜勤タイム」は1ゲームあたりの純増が約0.5枚と控えめな性能。その性能ゆえに比較的上乗せも発生しやすいが、あくまでもボーナスメインのゲーム性であり、上乗せがダイレクトに出玉に繋がることは稀。逆に言えばRTに入らなくてもボーナスさえ引ければ何とかなる。でもREGだけは勘弁な。

 「意外と(失礼)悪くないな」というのが試打での感想。導入後にホールで打ちその思いは確信に至る。耳をつんざく高音などの問題点もあるものの、ノーマルタイプ好きには割とオススメできる1台。業界初を銘打ち最大のウリとしていた「上乗せ式RT」に前例があったなんてのは些細なことです。
通常時はデフォルメキャラによる演出がメインだが、激アツの場面ではゲームさながらの際どい演出がボーナスの期待感を煽る。なお、悪役っぽく迫る彼が原作の主役。白7のモチーフにもなっているが、ここまで揃えたくない7絵柄がかつてあっただろうか。
アイス! アイス! アイス! どいつもこいつもアイス!
『Piaキャロットへようこそ!G.O.』(タイヨー)

 初代が96年に登場した伝統シリーズで、ファミレスや喫茶店を舞台にするという今ではお馴染みのシチュエーションを定番付けた作品。この作品がなかったら「○○ファミレス○○メニュー」とか「○○コスプレ喫茶」が世に出ることはなかったかも知れないと考えると感謝もひとしお。それと後に大ブームとなるメイド喫茶に与えた影響も少なくない…かも。

 ART「Piaキャロットタイム」の性能は約1.4枚/1ゲーム・50ゲーム1セットと極めてスタンダードな感じだが、随所にゲーム数上乗せチャンスが存在するのがポイント。レア小役時の直乗せ&メーター上乗せに加え、リプレイ時のメーター上乗せ&そこから派生する超上乗せゾーン「スーパーPiaキャロットタイム」と、見た目からは想像しづらい荒波仕様に仕上がっている。

 導入直前にお色気表現の規制という超アゲンストの中登場。にもかかわらずフタを開けてみれば「これ絶対挿入(はい)ってるよね」としか言いようのないカットインが発生しド肝を抜かれました(でもボーナスは入ってなかった)。あとアイス。他の演出はまあ…飾りですよ、飾り。
画面には数ゲームに1回の割合でアイスが飛び交う。しかもどうやら白ナビ的な存在らしく、ほとんどがバニラアイス。そして問題のカットインはステップアップ予告として登場。ウィンドウ出現時には心の準備を。
(C)2011 COCKTAIL SOFT/SLP (C)FANDC.CO.J
魔法少女、パチスロ化
『天空のシンフォニア』(コルモ)

 「Piaキャロットへようこそ!」シリーズと同メーカーからリリースされた魔女っ娘育成エロゲだが、オフィシャルページを見るにどうやら育成&バトルがメインのシミュレーション寄りのゲームの模様。「魔法少女」と聞いて対触手や対スライムの濃厚なシーンを想像していたのに真に遺憾である。

 モード移行抽選時に前兆モードが選択されると1:1でART確定の本前兆orガセ前兆に振り分けられるのが特徴。「ツンデレ前兆」なる怪しげなシステムを搭載しており、ガセ前兆中は一部のレア契機を除きARTに当選しない。純増2.0枚/1ゲームというARTのスペックと合わせ非常にARTに突入し辛いイメージを受けるが、実はメイン小役の9枚役などでも現実的な確率で前兆に移行するためART突入確率自体はかなり高めになっている。

 ほどほどにARTに入り大変まったりと遊べる非常にマイルドなART機。前述の通りなんてことない小役からですらART突入が期待できるので、期待感ゼロの時間帯がほぼないのもポイント高し。ちなみにペナルティRT中の専用画面があるらしいが流石にホールでやる勇気はなかった。取材の時に知っていれば…。
ミルフィことミルファリア・フロイハイムさんが、通常時はともかくART中のバトルで活躍した記憶がありません。一応主人公らしいのになんでこんなにひどい扱いなんだ…。
(C)2004-2010 COCKTAIL SOFT/HQ (C)FANDC.CO.
中国の人たちにごめんなさいしないといけないよね
『CR恋姫無双TRX』(エース電研)

 「はわわ、ご主人様、敵が来ちゃいました!」のセリフで一世を風靡したエロゲをベースにしたアニメとのタイアップ機。中国の歴史上の英雄たちをエロゲ化するという国際問題になりかねない企画だが、よく考えたら神話の神々やその使いの戦乙女をエロゲ化するという、文字通り神をも恐れぬ所業に比べれば大したことはなかった。

 スペックはオーソドックスなミドルタイプ。ヘソからの出玉ナシ確変割合がやや高めなので、どれだけ早い段階で電サポを獲得できるかが重要。出玉ナシ確変当選時には規定回数電サポが発生することもあるので、さっさと確変大当たりを引いて乙女武将とのデートに持ち込みたいところ。時短が短く引き戻し期待度が低いのが残念ポイントか。

 本機最大の注目ポイントといえば液晶演出でもデートイベントでもなく「ブタギミック」のアクション。折りしもネット上で「ブヒる」が一大ムーブメントとなり、そこかしこが養豚場の様相を呈してきたタイミングでの登場というタイミングのよさは賞賛に値するものだろう。
まずブタ。とにかくブタ。何を差し置いてもブタ。皆も一緒にブヒブヒしよう! 告白は成功したことないんでどうでもいいです。
(C)BaseSon・恋姫無双製作委員会 2008 (C)BaseSon/真・恋姫無双製作委員会 2009
あとがき
 という訳で、「もえぱち」第7回はこれにて終了です。もうちょっとパチンコ・パチスロをバランスよく取り上げたかったんですが、意外とパチンコがなかったなーというのが全体での感想。ちなみに大変失礼な話ではありますが、ここで挙げた原作エロゲはどれも大して、というか全くやってなかったりします(夜勤病棟を除く)。なのでもしかしたら見当違いな意見があったりするかもしれませんがそこはごめんなさい、と言い訳しつつ今回は締めさせて頂きます。それではまた次回の「もえぱち」でお会いしましょう。
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